タンゴで "タンダ" と言うのは 大体3曲が一括りになっていて その一括りは 一人の人と踊る・・と言う事になっている。
タンダと タンダの間には 全くタンゴ音楽とは違う音楽が流れて 明らかにみんなは 踊る相手とは そこで別れる。
タンダとタンダの間を コルティーナと呼ぶ。 スペイン語で カーテンなのだ。 つまり カーテンを引いて 一幕終わりって事になる。
コルティーナの音楽が終わり 又次のタンダの音楽が流れ出すと 各々が相手を見つけて フロアーに立つ・・と言うことになる。
相手を見つけるのは "カベセオ"と言う タンゴ独特のマナーというか ルールがあって 踊る相手と目を合わせ お互いが 頷き会った所で 合いとなり 大体が 男が女に近づいて フロアーに招待する・・って 言う事になっている。
だが! あたしゃ~ 醜いばば~って事は明らかで そう言うやからは 一生 座ってることになり・・。 カベセオで 目を合わせてくれる人は 皆無。
どんなに頑張って お化粧しようとも 頑張って奮発した ドレスを着ようとも そんなのは 全然かんけ~無い。
じゃ~ どうすれば 踊る相手を見つけることが出来るか? それが タンゴを初めて 一番ムズい事と知る。
カベセオで目を合わせようとしても 絶対合う事は無い・・。 例え 間違って合ったとしても すぐそっぽを向かれる。
そんな 屈辱的な事に耐えれるか? いや 絶対に耐えれる代物では無い。 大体の人は まず ミロンガ(ダンスパーティー)には行かない。
よって 楽しむ事が出来ないから 辞めてしまう。
タンゴを初めて 何年も続いた人は ほんの1握りなのだ。
じゃ~ その試練をどうやって 通り抜けるか? タンゴの中で人脈を作ると言う手もある。 先生のクラスや 個人レッスンを沢山して 先生を儲けさせて上げれば ほとんど ミロンガで踊って貰える。
そして 先生レベルの人とお近づきになる。 下手な男には目も触れない・・。 それを 何年も続ければ そのうち 上手い男だけをゲットして ミロンガで 見せ場を作る事が出来る。
全然知らんミロンガで 全然知らん人ばかりの所では まず 踊る相手を見つけるのは 不可能。
若くて 綺麗な女は そんなの全く関係ない。 絶対 どんな男でも寄って来るし そんな女は 男を選ぶ事も可能。 よって 自信のない男は 綺麗で若い女には 細心の注意を持って寄って行く。
断られて 自尊心を傷つけられたくないから・・。 でも 若くてキレイな女は 座っている暇も無いほど 次から次へと踊るので 一晩ミロンガに行くと ヘトヘト・・と言う。
さて 若くてキレイでも無い女は 長年の間に コネも十分あって 先生へにも 相当量の授業料を払っているから ・・ 選んで 先生クラスの男としか踊らない。 よって 余り 誰でも 彼でもとは踊らない。 下手な男と踊って 散々な踊りになったら 彼女の自尊心が傷つくのだ。 そして 踊っておもろくない。
ある女が言った・・ 下手な男と踊って 怪我でもしたら大変! と・・。
私の夫は 初心者・・よって 誘うのをビビっている。 タカピーの女で 断られるのがいやなのだ。
なので 私の友人の女に 「私の旦那と踊ってよ~」と言ったら キッパリと 「初心者と踊ったら 足をぐねったり バランスを崩されたりで 災難に遭うのが落ち。 お断りします。」 だとさ!
そして 美しくもなく 若くもない女達は どんなに上手くなっても 踊る相手を見つけるのに 四苦八苦。 つまり そんな女は 踊れる男達と お喋りをして 自己紹介をして そこから 踊って貰うチャンスを 伺う・・・と言う手を使う。
だが それも 恥ずかしくて出来なかったら ただただ 一晩中座って 誰かが誘ってくれるのを待つしか無い・・。
私は そんなかったるい事が出来るババ~では無い。 自尊心は人一倍ある!! これが物凄く邪魔をした。が!! そんな事を言ってたら タンゴを辞めるしか無い。
自尊心ってのは 大切だ! それは ガン! として 持つべき! と言うのが 私が ここ3年間 毎週 個人レッスンをしてくれた アルゼンチン人先生。
そして 彼が教えてくれたのが 「誰が相手だろうとひるむな」 そして 「自分を信じろ!」 それだけ! それだけが 私の3年間のタンゴレッスンだったかもしれない。
彼は 私のダンスの動きに注意したことは1回も無い。 褒めまくるのが 彼のレッスンなのだ。 なんで!? と思うほど 褒めてくれる。
そして 自分が 出来ないと 「自分を信じろ!」 を連発する。彼は私にダンスステップを教えた事は無い。 よって 私は 技とか ステップとかは全く知らない。
彼のやり方は 「心で音楽を捉え 相手と融合しろ」それだけなのだ。 一曲 一曲 いかに私が 心を全部預けて 踊ったか? が 彼の私の踊りの評価なのだ。
私が 色々頭で考えたりしていたら 即! 踊りを辞め・・ 「お前何考えてる?」と訊く。 そうなのだ・・私はすぐ 肩の力を抜かねば・・ とか 腰をうかしたりしてないか・・?とか・・考えてしまって それを見抜かれてしまう・・。
それらを考えないで 踊れって言っても・・・ と思っていると 「へい! 考えるのは辞めろといってるべ~!」 と 私の頭の中を見透かされる・・。 そこが 私の先生の怖い所なのだ。
何をどう考えているのか を いつも見透かされて 嫌になってしまう。
「頭空にして!!」 「頭空にして!! 」 「頭空になったか?!」 と ずっと言い続ける。 私が 「うん! 空になった!」と言うと また 踊り始めてくれる。
まるで 禅の修行でもある。 結構宗教的なのだ。無になって 踊る。 つまり 心を 全部音楽と 踊る相手に注ぐのが タンゴなのだ。
それが 出来なければ タンゴではない・・。
さて そこで 私が ミロンガで 踊る相手を見つける方法を書く事にする。 つまり タンゴを踊るには 踊る相手を自分が好きでなければならない・・ と言うのに気が着いた。
例え先生クラスに上手くても そこに心がなければ 面白くもなんとも無い。
反対に例え タンゴを踊った事も無い人でも 私と心が通えば フロアーで 動く事が出来る。
「タンゴはただ歩くだけ」と言う先生も多い。 その意味が 最近分かる様になった。 本当に歩くだけなのだ。 だが そこに 魂がなくては タンゴにはならない。 だから 心! つまり 魂の融合で タンゴダンスは 生まれて 踊る事が出来るのだ。
よって 見知らぬ土地に行って 私は 誰構わずカベセオなどせずに ガンガン 男に近づいて 「踊って?!」と言う。 即嫌な顔をされて 「あっち行け!! このばば~! タンゴのマナーも知らんのか?!」 と怒鳴る奴もいる。
だが 慣れた・・それが怖くて タンゴなんて やってられないのだ。 自尊心を傷つけられたとは 思わない様に自分を鍛錬した。
そこでは やはり 心の無いダンスをする輩と 心の入ったダンスをする輩と大きく別れる。もちろん! 心の無いダンスをする輩とは二度と目も合わせず 一生裂けたい輩。
最悪な輩がいる それは 踊りを受け入れるんだけど タンダの最後の一曲だけ踊る奴。 それも 嫌々の態度を明らかに出す。
もっと コザカイ死刑クラスの嫌な奴もいる・・ そう言うのは 「後でね」と言って 後から 突然やって来て 私を誘い・・ フロアーに立って 10秒くらいしたら そのタンダが終わるのだ。
そして もっとその相手と踊りたかったら 次のタンダも踊ってくださいと言う・・。 そう言う輩は 自分が トップクラスの踊りが出来る思い込んでいる奴 特別に自分が選んだ相手としか踊らない・・ と言う奴がほとんど。
そう言う奴が最低の最低なのだ。 「お前とは踊らないよ あっち行け!」と最初から言う奴の方がまだ タチがいい。
と言うわけで 私は ミロンガに行くと 片っ端かた 「踊って!」と 言い回る 醜いばば~なのだ。
でも! 踊る相手は大体の場合ゲットできるし・・ 踊った後・・ また その相手から 誘って貰える事が ほとんど!
って事で 一晩中踊れる様になれたのだ。 そして 人として いい人との出会いも多くなった。タンゴはかけ引きではない・・ 赤ん坊の様な 純粋無垢な気持ちが無いと 心地よいダンスは出来ない。