2024年9月11日水曜日

自分が愛おしい

 実を言うと 私ば 25年前に夫に誘われ タンゴにチャレンジしている。 訳も分からず 先生の言う通りのステップを 夫と二人で踏んでいた。 なので その習ったステップをそのまま 夫とやる・・だけが 一年続いた。

ある日 次の中級クラスにやって来た 女が 夫を捕まえて 踊ろう! と始めた。 が! そのトタン 女は 怒り出し・・ "あんた 全然リードして無いじゃん!" と 夫を突き放した。 夫は それ以来 タンゴを辞めた。

私も 訳も解らんまま 辞めた。

それから 約10年経って・・ アルゼンチンタンゴの映画を観た時に 私は "やりたい・・" と言う気持ちが つのって来た・・。 が ただの憧れで あって あんなモノは 夢の夢・・。

それから また 10年ぐらい後に 夢で終わらすのは 悔しい・・よって かじってみるだけでも 罪はあるまい・・と言う事で 今度は 違うクラスに行った。今度は 私一人で・・。

だが・・ またもや 挫折・・。 タンゴのクラスの後に 社交的に踊る時間が設けられる。 そこには もう 10年も 20年も踊っている人間が これみよがしに踊り・・ 私のような 初心者には 鼻もひっかけない。

じゃ~ って事で もう そのクラスに行くのは辞め・・ 1年間 毎週 個人レッスンを受けて 集中的戦略にでた。 その社交的踊りの場所に 行くのは かなり億劫だったが・・先生が レッスンだけ受けてても そう言う所で 多くの人と 踊らない限り うまくならないよ・・ としつこく押され・・やむなく 参加。

だが・・ やはり 上手ければ 踊って貰える・・と言う物ではない・・と言うのが タンゴ。人との関わり・・つまり社交場で 自分と言う人間が 認めて貰えない限り そこには入れないのだ。

それって 踊りと言うより 私の一番苦手とする分野なのだ。 パーティーと言う物は 大嫌いで 一切参加したくない・・。 無駄な事を永遠と 笑顔やら 笑いやら ハグだのキスだのを交えて 交流を深めて行く。 それが出来てない限り 踊ってくれる人は居ない。

西洋人と言うのは それが 子供の時から 身についているので 私のような 日本人間であっても 愛想笑いなんて 死んでも出来ない。 そんな私が社交の場に入れるハズが無い・・。

もう 完全に頭打ち。 やる気も失せて そこで タンゴには見切りをつけようと決意。

と・・その頃 クライストチャーチに現れてた 別の先生。 

我が家に住んでいた メキシコ人の男の子もタンゴをやる。 そいつがタンゴが超上手い。 って事で 私は彼と一緒だと タンゴの世界に入れる様になった。

そして そのメキシコ人はスペイン語で その新しくクライストチャーチにやって来た アルゼンチン人の先生と 大の仲良しになって・・ その先生を絶賛するではないか!

私は まぁ~ 一回試しにその先生の個人レッスンを受けてみよう・・と言う気になった。

あれから 2年。 私はその先生にハマった。 彼は タンゴの先生ではあるが・・ 私の心療内科の先生ではないか! と言う程 私のダンスを心理的な所で修正するやり方だった。

タンゴのレッスンの時間 一時間 まるまるお喋りで終わった事もしばしば・・。 彼は お喋りではお金を取る訳にいかない・・とは言ったが・・それは私にとっては ただのお喋りではなく 私と言う人間の心を取り戻すべき カウンセリングなのだ・・。

彼が一番先にしたのは 私と言う人間を知ることだった。 私と言う人間にこれ程 興味を持って くれた人は いなかった。 色々私の事を訊いてくれると言う事は 私にとって なんと 魅力的で心地のいい物だったことか!

私は 自分が生きる意味さえない・・と言う悲観的な考えで生きて来た。 いつ死んでも・・それはそれで 仕方の無いこと。 若い時なんか 生きてることすら罪なのでは・・と思える位 自分で自分を否定していた。

そして また その彼が 私の中に入って来た事は なぜ私は 私の宿のビジネスをそんなにデカくし成功させたのか? と訊いて来た。 その時 じっくり 自分でも 考えても見なかったことへの返答を探した。 先生はいつも 何があっても 私の返答を辛抱強く待ち・・そして その私の言う返答の 一言一言に耳をすませてくれた。

そして 私の口から出て来た言葉が・・ "復讐 私を見下した者への・・" と言うもの。

先生は それでいい・・ その怒りのエネルギーを 心の中に持て! と 言い続けてくれた。 それは 大成功だったと思う。 常に彼は "お前は出来る お前は エネルギーがあるのだから" と 言い・・ 私もそれを 伝手に ここまで来れたと思って居る。

そして それから2年後の今  また 私は ちょっと スランプに陥ってきた。 なんか "夢"に描いた タンゴには どうしても 近づけない・・。 と また 彼に伝える。

そして 彼が言う"洗練されたタンゴ" に これから 集中しよう! と言う。 お~! それだ~! と私は なんか 心踊る。

"怒りのエネルギーは いっぺん 横に置いとく・・。" 

洗練された動きにするには 

"自分の中にエネルギーを溜める"

"外に発散させない"(外に発散させる事で 洗練さは欠け醜くなる)

"溜めて 溜めて・・こもったエネルギーに自分の気を集中させる"

相当 抽象的で 訳が解らん・・ 先生との色んなディスカッションの末 

"気を100%自分に向ける" それだけなのだ。

相手がこうしたから こうせねば! とか 相手がリードして来たステップが来ても 焦って合わせようとするな! 完全に自分のペースで 自分のやり方で 自分のタイミングで 自分のしたいように体を動かせ。 とりあえず 自分を見失うな! と言う事なのだ。

そして・・思った・・。

ここ2年間 毎週毎週 私は彼から 個人レッスンを受けて来て・・その都度 学んだ事は それなのだ。 怒りのエネルギーを発散させるだけでは 解決にはなって無い・・。

最終的には 自分を肯定して 自分自身を見つけて・・自分の生きたい様に行かねば 生きている事にはならないのだ。

自分を見失って生きて来た人生・・そして 自分を否定し続けて来た人生。 それを 辛抱強く 私を違う方向に導いて来てくれた彼。

やっと 今 私は 自分が 愛しい・・と 思える様になった来た様な気がした。

そして タンゴが踊れる様になるのは タンゴレッスンではない。 それは 

'自己肯定" それなのだ。 それその物なのだ。

クライストチャーチの中で気後れして 全く踊れなかったのが・・ アルゼンチンのブエノスアイレスで 多くの社交場に出かけて行って・・ 自分の踊りたい男を漁り 見当を付けた男を必ず射止め 一晩中踊り明かす・・

と言うのが 出来るようになったのは もう "自己肯定" それ以外の何ものでも無い。 そして それは タンゴの世界だけではなく 私の生きる大きな力になっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿