2025年6月26日木曜日

宿

 宿業を35年間やっていたせいで 旅の宿に宿泊すると 隅々が気になって仕方が無い。

以前 60歳代までは 元気だったので 安宿にしか泊まった事が無い。 南米の7ヶ月間は 殆ど 一泊2千円以下。 日本でも 大阪の西成区で 二千円以下でしか泊まった事はなかった。

先日日本へ行った時 そんな安いのは無くなってしまっていた。 悲しい・・。  多分インバウンドのせいだろう・・。

常に2千円以下の宿と言っても 物価の高い アメリカ ヨーロッパを避けて旅していたせいでもあろう。

いつも相部屋、二段ベッドや  カプセルホテル的な箱型の部屋がほとんど。 もちろん トイレ シャワーは 共同。 日本以外では お湯がマトモに出ない とかは 普通。

トイレの便座が無いと言うのも 南米ではよくある。 水洗でも 柄杓で水を救って 尻を洗って 流すってのもある。

シャワーノズルが トイレの真上にあって それが 尻を洗う物 兼 シャワーとして使う用に設計されている。

不潔すぎて 気持ち悪いのは 常。

トイレットペーパーがあっても 絶対にトイレの中に流してはいけない所も多々ある。 下水が発達していないため トイレットペーパーですら 詰まる危険性があるからだ。

日本で '使用済みのトイレットペーパーは便器の中へ入れて下さい"と言う 注意書きを見た事がある。 南米で 使用したトイレットペーパーを便器に流さないで すぐ横にある箱に入れる習慣がついてしまうと うかつにもそうしてしまう。

私は南米に行ったばかりで 使用済みトイレットペーパーを便器に入れてはいけないと分かっていても つい 入れてしまって 流してしまった事がよくあった。

人間の癖・習慣と言うのは 無意識にやってしまうものだと その時つくづく思った。

私のもう一つの宿の価値の判断は 枕を嗅ぐと言う習慣。 匂いで その宿の価値や 善し悪しが 正確に判断出来る。 

よって 我が家に人が泊まった後は シーツを洗うのはもちろんだが・・ 時々 枕も 丸洗いする。 洗濯機にぶちこんで 乾燥させる。 この乾燥が そう簡単では無い。 厚い枕を完全に それも早い内に 乾燥させないと またもや バクテリアが繁殖して 嫌な臭いになってしまう。

よって 天気のいい日に 数日 風通しのいい所に置いて置く。 数日で完全に乾かない場合は 乾燥機に入れて 完全に乾かす。 長期間かかって 乾燥させても やはり その間にバクテリアが繁殖してしまうので 短期での完全乾燥が必須なのだ。

あとは 宿の善し悪しは レセプションの人でも判断出来る。 人が良ければ 宿全体もいい。

先日 日本の 大型チェーンホテルに行った時は 電車の切符販売機的な機械が何台もレセプションの前 に置いてあって・・ "人間"と接する必要もないしかけ。

パスポートを突っ込むと 部屋のカードが出て来るしかけ。ま~ なんと 味気ない。 やっぱ 人が居てこそ 一日の旅の疲れを癒す場所と 思うのは 私だけだろうか・・?

先日ニュージーランドのウェリングトンに行った時 疲れてたし・・ 探すのめんどくさかったし・・ って事で あまり考えずに 1泊2万円近い宿に泊まる。

安宿しか泊まらない私にしては 満点か? と言うと なんかガッカリも沢山あった。まず 全ての設備が洗練しすぎてて 人間味が全くなくて 冷たい。

高層ビルだから もちろん窓はあかない。 外の空気を吸うところがなくて 息が詰まりそう。

セントラルヒーティング システムで 自分で 温度も 風力も なんでも調整出来るけど・・ 外の空気をちょっとでも吸いたいと思っても 階下に行って 外に出ない限り 吸えない。

安宿なら 窓が空くところがほとんど。 非常階段がある所へ行けば 大体 1階でなくても 外の空気は吸える。

5千円以上一万円以下くらいの所が 一番いいかもしれない。 窓が開く、 バスタブがある、レセプションに人がいる と言った所を選ぶ事が出来る。

人と一緒でもツインルームを選べる・・とか言う利点もある。

一万円を超えてしまうと 高層ビルになって来るのが常。 そうなると 非常時の避難経路がものすごく気になる。 非常口が見つけにくかったり 非常口に鍵がかかっていたり・・ と 高級ホテルには それなりの 的確な設備が必要になって来る。

が! それを ちゃんとしているかどうか? を 確実にチェック出来る術は あまりない。 非常階段を見つけたとしても それが 10階 20階とかになったら そこから 駆け降りなければならないし・・。

その前に 火の回り方によって 非常階段まで たどり着けるかどうか? と言う 問題もある。

よって 大きな窓があって 高くても2階建てぐらいで いくらでも すぐ土のある庭に出れる的な宿が 私にとっては 一番快適に感じられる宿になって来るのだ。


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